【ブラック校則】校則で下着の色を指定することについて(市議会議事録)

前回の記事でも紹介した、この福井新聞一面コラムに出てくる福井市議会の議事録を紹介します

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概要だけ知りたい方は同じく福井新聞の3月の記事をどうぞ

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教育長も「下着の色に口を挟む必要はないと私は思う。」と答弁されてるみたいですね。
議事録の方も確認してみます。

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福井市議会議事録

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福井市 令和 2年 3月18日 予算特別委員会 03月18日-01号

 

【八田委員長】
次に、日本共産党の質疑に入りますが、残り時間は4分です。
それでは、質疑を許可します。


【鈴木委員】
時間も少ないので結論の部分からまずお聞きします。
学校側が一方的に定めた校則をただ守らせるのではなくて、子どもたちと話し合い、合理的な理由がないおかしな校則は変えていく。
これがこれからの校則のあるべき姿だと思いますが、教育長はどう思いますか。


【吉川教育長】
まず、学校側が一方的に決めたと委員はおっしゃいましたけれども、皆さんも多分そうだったと思いますが、中学校には生徒会という組織の中に例えば風紀委員会などがあって、そこで校則についていろいろと議論しています。
その中で子どもたちがこれは理不尽だとか、これはおかしいなと思うものがあれば、こういう改正案でどうだろうということを生徒総会で議論した上で先生方と話し合い、最終的に校長が認めるかどうかということになります。
そうやって練り上げてきたものが校則なんです。
各学校で校則がばらばらなのは、それぞれの学校の事情や世の中の実情に合っていなかったものを変えてきたからであって、そういった形で見直してきたのが校則の歴史だと私は理解しております。
ですので、今委員が言われるように、理不尽なものや時代に合っていないものについては、例えば生徒会でもんでから、学校側に議題提起して、よく話し合った上で最終的にこうしようという形で決めていくべきものだと私は思っております。


【鈴木委員】
そういう話合いをしっかりと促すべきだと思うんです。
改めて、ブラック校則についての認識を聞きたいので世に言うブラック校則について御説明いただきたいのと、理不尽な校則は人権問題として捉えるべき時代に入っていると私は考えますが、教育長はどのように考えておられるのか、答弁をお願いします。


【吉川教育長】
まず、ブラック校則という言葉についてですけれども、子どもたちもしくは保護者が合理的でないとか時代に合っていないなどと感じている校則を、ブラック企業になぞらえてブラック校則と呼んでいるという認識でございます。
人権問題かどうかということですけれども、もちろん内容によっては見直していくべきだと思っていますし、理不尽だとか人権問題だと感じる部分があれば、これまでと同じように子どもたちと先生方が話し合って改正していけばいいのではないかと感じております。


【鈴木委員】
変えたほうがいいと思う内容も散見します。
市内の多くの中学校で下着の色は白と決められています。思春期になる女の子もいるのに下着や肌着の色を指定するのはセクハラであり、プライベートの侵害だと私は思いますが、どうですか。

 

【吉川教育長】
まず、校則でいう下着についてですけれども、本当の下着という意味ではなくて、一般的に男子はカッターシャツ、女子は夏場に白いセーラー服を着ますが、その1枚下に汗取りのためなどに着る、いわゆる肌着を校則では下着と呼んでいる場合が多いと私は思っています。
色が白というのは、本当の下着が夏場に透けて見えるのを防ぐためであったり、清潔感がある色ということで白が選ばれたのではないかと推測しますが、白が適当かどうかという議論はそれぞれ学校の実情に応じてやっていただければいいのではないかと私は思います。
プライベートの侵害ということについては、本当の下着の色に口を出す必要はないと私は思っていますけれども、子どものいろんなものを守るためにそういったことを決めることは必要ではないかと思っております。

 

【鈴木委員】
例えば、女の子だとブラジャーなんかもつける年になってくるわけです。そうすると、白いものは透けますから基本的に着たくないんですよ。それなのに白限定なんです。
そういうところばかりなのは問題だと思います。
靴下の色も白色に限定されているところが非常に多い。黒や紺ではだめなのですか。

 

【吉川教育長】
私個人的には何色でもいいと思っています。
例えば、買うときもスクール靴下というものが売っています。
基本的に白色ですけれども、それが校則に合わせて白になったのかどうかはちょっと分かりませんが、昔私が現場にいたときにラインの数が話題になって、2本はいいけれども3本はだめとか、そういうことを我々も子どもたちと議論したことがございます。
子どもたちは「いや、先生、そんなことを言っても、今はそんなラインが入っているものなんかないですよ」とか「ワンポイントのものしか売っていませんよ」ということを言っていましたが、やはりそういったことを議論していくことが私は大事だと思っています。
今、白に限定されている学校が多いというのは中学生らしさというものをどういうふうにイメージするかということもあるんだろうと思いますけれども、もし黒とか紺を認めてほしいというような意見が多くあるのであれば、それはまた議論していただければいいのではないかと思っています。

 

【鈴木委員】
かなり厳しく白だけだ、白でないといけないという生徒指導が実際に行われています。
こういうことでいいのかとしっかりと促していただきたいと思います。
あと、頭髪ですが、目にかかると危ないので目にかかる前に前髪を切りなさいというのは分かります。
眉にかかってはいけないというのはなぜなのか。
また、男子生徒には耳にかかってはいけないと言うんですよ。
事実上、刈り上げを強制しているんです。
女子生徒には肩にかかるなら後ろで縛れ、耳より上で縛るなと。
こんな厳密な規定が必要な理由が私にはよく分からないですが、どうですか。

 

【吉川教育長】
これが正しいかどうかは分かりませんけれども、かつて戦後に丸刈り校則論争というのがありました。
丸刈りはそれこそ人権問題だという話になって、その当時の生徒たちが丸刈りをやめてほしい、長髪を認めてほしいというようなことを主張していく中で、生徒たちは日本弁護士連合会に話を聞いたり、世論を巻き込んだりして最終的に勝ち取った。
その中で、長髪はどこまでならいいんだという話になったときに、それぞれの学校でここまでならいいのではないかとか、ここまでで切ってほしいとかというせめぎ合いがあって、今の形に落ち着いたのではないかなと推測されます。
ですので、何度も言いますけれども、そこを変えようと思えばできるわけですので、議論していただければよろしいと思います。

 

【鈴木委員】
面白いのでちょっと突っ込んで聞いてみたいんですが、髪が校則に違反しているとあしたまでに切ってこいと生徒指導部の先生が平気で言うんですよ。
あしたまでに切ってこいですよ、部活が終わった後に。もう散髪屋も閉まっているわけです。
そうすると、女の子だと前髪を切らないといけないんですが、やはりお店で切りたいと言うので、お母さんとけんかになるそうです。
これは本当にひどい話だと思います。
例えば、部長さんや市長さんを見たときに、東村市長は耳に髪がちょっとかかっています。
これをあしたまでに切ってこいと、そんなことを教育長は言えませんよね。
理不尽だし、無礼ですよね。

 

【吉川教育長】
どういうシチュエーションでそういう話になっているかをいろいろ想像するんですけれども、確かに私が現場にいたときにあしたまでに髪を切ってこいと言う先生がいらっしゃったかもしれませんが、そこに行き着くまでには段階があるんです。
1週間ぐらい前に「そろそろおまえ髪を切ったほうがよくないか」、次に「もう切りに行ったほうがよくないか」、いよいよ「あした切ってこい」という段階があるんです。
実際にどういう形で言ったのかは分かりませんけれども、確かに無理な生徒指導は私もだめだと思います。
例えば、髪の毛が長いから先生が無理やり切ってしまうというのは体罰になりますので、それこそ人権問題だと思います。
それから、女の子はやはりおしゃれをしたいという思いがありますが、前髪をそろえるぐらいは自分でできるんです。
うちの娘も鏡を見て切っていましたから。
あしたまでに髪全体を散髪してこいというのはなかなか難しいと思うので、そういう無理な生徒指導については見直すべきだと私は思います。

 

【鈴木委員】
実際には合理的な理由がないように見受けられる校則が散見されて、それを生徒指導の先生が平気で強制してくるということがまかり通っています。
教育委員会として実態がどうなっているのかをちゃんと調査していただきたい。
そういうことを今の時代も続けていることは人権問題であり、非常に問題だということを各学校にぜひ促していただきたいと思いますが、どうでしょうか。

 

【吉川教育長】
生徒指導の面でいろいろと物議を醸すような指導が散見されることは確かにあると思いますが、それについては我々教育委員会としてもしっかりと指導していきたいと考えております。

 

【鈴木委員】
ぜひ、人間対人間の対応をしていただきたいと思います。
こういう校則がどうしてまかり通っているのかというと、先生と生徒という関係の中でとにかくルールを守らせるということばかりに重きが置かれて、人対人の付き合いの中でお互いに話し合い、おかしなルールは変えるという意識が非常に弱いからだと思います。
ぜひ、そういう立場でやっていただきたいということを申し述べておきます。

 

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吉川教育長はご自身の経験から答弁をされていて、それはそれで良い答弁だとは思うのですが、じゃあ現在はどうなんだ、という部分があんまり共有されていない気がします。
私は30代ですが、私が学生のころは「下着の色指定」まではなかったんですよ。
それがなぜ今の時代になって下着の色を指定されるようになったのか、気になっています。
そのあたりを踏まえた答弁だったかというと違うように思いました。

「校則で決まっているけど、議論したら変えられるのだから」と言うけど、じゃあその校則は生徒と議論して決められた校則なのかな?という疑問があります。